「外向型について」カテゴリーアーカイブ

メンタルが弱いとは限らない

どういうわけか、内向型はメンタルが弱いひとと同一視されがちです。

しかし、メンタルが弱いことと内向型かどうかとは直接的に関係はありません。もしそういうことがあるとしたらメンタルの弱い内向型がそれを自覚しているということだと思います。

もしあなたがHSP(ハイリーセンシティブパーソン)だったとしても、メンタルが弱いとは限りません。多少敏感かも知れませんが、敏感であることによってメンタルが鍛えられるチャンスがひとより多いくらいだと思います。

内向的だからメンタルが弱くて不利ということは絶対にありません。
確かになかにはメンタルが弱いひともいます。でも外向型にもそういうひとはいます。

メンタルが強いと言い切れるわけではありませんが少なくとも弱いとは限らないので、むずかしい問題が起きても簡単にあきらめず立ち向かっていきたいものです。

忘れないで!

以前、外向的になりたいとお考えであれば、演技するしかない!という記事を書いたのですが、そちらのつづきです。

外向的に振舞うことで何か得られるものがあるとお考えであれば、それもいいと思います。演技するのも案外楽しいです。

ですが、もしそうなさった場合でもご自分が本来は内向的なんだということを忘れないでいただきたいのです。

内向型と外向型では、居心地がいいと感じる環境が違います。
ですから、演技をつづけて目先の欲しいものを手に入れたとしても、その先にあるものが自分にとって居心地のよいものとは限らないのです。

外向型がより居心地のよい場所と感じるところは、世間的に言っても憧れの的となるような華やかな場所かも知れません。でもその価値観に合わせることは本当に必要なのか。

実際に身を置いてみなければ判断のつかないことだろうとは思いますが、内向型にとって大切なのは世間がどう言っていようと自分が居心地のよい場所と感じられることではないかという気がします。

脳を鍛えれば内向的じゃなくなる?

内向的か外向型かというのは性格や人格によるものではなく、基本的には脳の性質によるものです。

となると、もしかしたら脳のトレーニングをすれば内向的にも外向的にもなれるのではという考えが浮かんでしまいます。

トレーニングをつむことによって、自然と内向型の振る舞いができる、もしくは外向型のようにも振る舞える、ということはありえるのか。

結論から言うと、脳を鍛えて内向的になったり外向的になったりすることはむずかしいと思います。
内向的かどうかということに関する脳の研究はそんなことがわかるほどには進歩していないからです。
ですからドーパミンが出れば出るほど楽しいと感じ、何をしても内向的な今ほど疲れない外向型になるための脳の鍛え方なんてものは存在しないのです。

より内向的に、もしくは外向的に振る舞う必要性を感じているのであれば、演じるほかありません。

テンションを上げて、俳優になったつもりで・・・。
意外と楽しいものですから、一度やってみてください。

つづき記事あります)

内向的な性格って・・・

だれかについて語るとき、”不幸な出来事があって内向的な性格になってしまった”という表現をすることがあります。

本人にとって”内向的な性格になってしまった”ことが不幸だとすれば、それはそのひとが本来は内向的でないからでしょう。外向型が内向的に振る舞わざるをえないのであれば、それはなんらかの抑圧状態にあるのだろうから不幸と言えます。

では内向型が内向的な性格になってしまっても、不幸?
そもそも内向的な性格が不幸?

最初に言ったような表現をされる方は、そこまで深く考えてはいらっしゃらないと思いますが、そういう意味ではないはずです。
外向型と真逆のことが起これば、内向型も不幸と言えます。つまり、内向型であるにもかかわらず外向的な性格になってしまうこと。

内向型なのに、ついものをよく考えずに行動したり発言してしまう。(※)
内向型なのに、忙しくしていないとつまらないと感じて焦る。華やかな暮らしだけが価値ある人生と考えてしまう。

本来の自分とは違う自分を生きるわけですから十分に力を発揮できず、時に自信も失いがちとなりえます。

大事なのは、自分を知ることだと思います。何か小さなサイン、そういうものを見落とさないように気をつけて自分の本来の気質について考えて探ってみてください。

(※)外向型が考えなしの言動を繰り返すという意味ではなく、内向型は考えてからでないと行動できない、発言できない気質であるという意味です。

網様体賦活系のはなし

アイゼンクというドイツの心理学者をご存知でしょうか?
(ウィキペディアはこちら

アイゼンクによると、内向型と外向型では大脳皮質の覚醒を引き起こす網様体賦活系の働きが違うらしいです。

アイゼンクがそのような仮説を提唱したのは1960年代頃(正確な年代はつきとめることができませんでした。すみません)なので最新情報ではなく、また科学的根拠も十分ではないらしいのですが、さまざまなことを考慮してもまったく的外れとは言えないようです。

網様体賦活系は外からの刺激を脳に伝えるのに、たとえばそのまま伝えれば刺激が大きすぎると判断されれば刺激を抑えた状態で脳に伝え、逆にそれほどでもなければそのまま伝える、といった調整弁の役割をしており、内向型は調整弁の働きがそれほど強くはないというものです。

つまり、100の刺激をうけた際に、内向型は網様体賦活系がそれほど強くは働かないので90位に感じるところを、外向型は網様体賦活系が強く働くので60くらいにしか感じない、ということが起きます。(数値はあくまで例えです。科学的論拠は何もありません。)

正しく証明されていることではないようですが、自分の刺激の受け方についてはかなりイメージしやすいお話ではないかと思います。

お酒がよわいのは内向的なせいなのか

内向型の脳が外からの刺激により影響を受けやすいのであれば、自分がすぐに酔っぱらうのも内向的なせいなのでは・・・、と思い調べてみました。

まずわかったのは、お酒に弱いかどうかと内向的かどうかとは無関係であること。

アルコールが体内にはいると、アセトアルデヒド、酢酸と順番に変化していき分解されるらしいのですが、そのアセトアルデヒドから酢酸のくだりでとある酵素が必要となり、その酵素を体質的に持っているかどうかが問題になるらしく、どうやら気質とその体質とは関係がないようでした。

ですが、どんなふうにお酒を飲んでいるかと気質とは、なんとなく関係があるように思います。

アルコールを飲むとドーパミンが出るのですが、このドーパミンのおかげでお酒を飲むと楽しいと感じるそうです。
外向型はドーパミンが出れば出るほど快感となり楽しみが増すらしいのですが、内向型はドーパミンの分泌が多過ぎると、時に疲れてしまいます。ちょうどいいドーパミンの量があるということです。

アルコールが脳にドーパミンを分泌させる経路と、内向型が通常刺激を受けた際にめぐる経路はちがっているため、その関係性を明らかにすることはむずかしくわからなかったのですが、知人の様子を思い返してみると内向型はいわゆる静かなお酒を好む傾向にはある気がします。

また、お酒を飲んで静かになるひとも、もしかしたらドーパミンの分泌にアルコールの分解が追いつかず、どんどん消耗してしまった内向型かも知れません。

お酒の好きな楽しげなひとを見るとうらやましいのですが、たとえお酒が飲めたとしてもどんちゃん騒いだりしないのか私、と思うと何だか不思議です。みなさんはいかがですか?

短期記憶と長期記憶

短期記憶と長期記憶ということばをご存知でしょうか。

短期記憶とは、短い時間覚えていられる記憶、長期記憶とは長い時間覚えていられる記憶のことを指します。

忘却のメカニズムはまだ解明されていおらず、このふたつについてより具体的な性質を示すのもむずかしいようなのですが、とりあえず覚えていられる時間が短いか長いか、という認識をお持ちいただければと思います。

なぜこんな話をするかと言うと、脳内を刺激がめぐるとき内向型は長期記憶に、外向型は短期記憶につながるような経路をたどるという記載を参考書籍の中に見つけたからです。

それは、内向型は記憶力がよくて、外向型は短時間ではあるがたくさんのことを覚えられて、といった単純なことではないようなのですが、内向型は人の名前を覚えるのが苦手というのと無関係とも思えません。

基本的には海馬と呼ばれる部分が、まず短期記憶として情報を受け取って、そのなかで印象深いとかこころに響いたとかいうものを長期記憶として保存するとされているそうです。

私は自分がそうなので、昔のことや好きなことについてやたらよく覚えている人は内向的だと思っています。
内向型のすべてのひとが、そうではないとも思います。
きっと性格によるものも大きいと思います。

内向的であることと、どういう記憶を持っているか、記憶をどう扱っているかはおそらく関係が深いと思います。

内向型は人見知りなのか

内向型=人見知り

というのは本当なのでしょうか。

人見知りに関係が深いとされる扁桃体は、脳のなかでも恐怖心や不安を生じさせる部分と言われています。

で、内向型と外向型で扁桃体の動きがそれぞれ違うのならば、

内向型=人見知り

という結びつきを証明する材料になると考え調べてみました。

内向型と外向型では脳が刺激を受けた際の刺激の伝達経路は違うらしいのですが、その伝達経路のなかでの扁桃体の位置づけはどうやら違っているようです。

人見知りをするひとは、ひとと出会った時に扁桃体が活発になる、すなわち不安になるとのことですが、刺激が脳をめぐる経路によって扁桃体が活発になる度合いに違いがあるかどうかまではわかりませんでした。(すみません)

ただ、初めて会うひと、という刺激過多の状況で内向型が自分の納得のいくやりとりをいきなりするというのはかなりむずかしいことでしょうから、そういう意味で内向型は人見知りする傾向があると言えるのではないでしょうか。

ハイリーセンシティブとは

HSPということばがあります。

H(ハイリー)S(センシティブ)P(パーソン)

心理学用語だそうです。

直訳すると、すっごく、繊細な、ひと。

書籍によっては、 内向型=HSP としているものもありますが、そうとは限らないようです。

とある統計によると、人口の20%がHSPで、そのうち70%が内向型。

ということは、全体のうち

HSPかつ内向型:14%
HSPかつ外向型:6%
HSPではない内向型:36%
HSPではない外向型:44%
(別の統計、内向型:外向型=50%:50%を参照)

となると、内向型のうち28%のひとがHSP。そう多くはないなぁ。

あくまで統計上のことなのですが、それでも”内向型だからすっごく繊細とは限らない”ということにはなります。

脳のはなし

内向型か外向型というのは、生まれつきの気質らしいのですが、結局のところ何が違うのか?

わたしがこれまでに知り得た情報によると内向型は、

・ドーパミンの感受性がつよい
・受けた刺激が脳をめぐる経路が長い

脳内でドーパミンが増えると”楽しいな”と感じるらしいのですが、内向型はその感受性が強いので、ちょっとドーパミンが増えただけでも”楽しい”と感じます。
反対に、外向型はドーパミンが大量に増えないと”楽しい!”と感じないらしく、ドーパミンがたくさん増えるような刺激的なことを好みます。

また刺激が脳内のより長い経路をめぐり、言語野や前頭葉を経た結果あれこれといろいろ考えるはめになるようです。

脳だとか、神経だとかの研究はずっとこれからもされて行くと思うので、これが未来永劫、最新情報ではないでしょうが、ご参考までに。